ジャアファル・サーディク
ジャアファル・アッ=サーディク(アラビア語: جعفر الصادق, 702年4月20日 - 765年12月4日)シーア派・イマーム派の第6代イマーム。アッ=サーディクとは「信に値する者」の意。ジャアファル・アッ=サーディクの名声はシーア派内に留まるものではなく、信頼性の非常に高いハディースの伝承者として、また学問全般に対する貢献からスンナ派のあいだでも高い崇敬を受けた。
格言
編集礼拝とその効果
編集- 「あなたがたの一人の家に小川が流れ、そこで日に五回清浄する者の体に泥が残るだろうか。 誠に、礼拝は小川に似ている。義務の礼拝をきちんと行う者はそれによって自身の罪を取り除く。彼が信じる教えから彼を連れ出してしまう罪を除いては。 」『ビハール・アル=アンワール』82巻、236頁。
- 「誠に、礼拝を軽視する者に、われわれの取り成しが届くことはない」 『ビハール・アル=アンワール』82巻、236頁。
- 「夜中の礼拝を絶対に欠かしてはならない! 実際、真の敗者とは夜中の礼拝(の益)を見逃す者のことである」 『ビハール・アル=アンワール』83巻、127頁。
- 「現世と来世での信ずる者の栄誉と装飾品は三つある。夜の礼拝、人々の手が握るものを欲しがらないこと、ムハンマド(彼の上に平安あれ)の子孫からのイマーム(とその指導者性)への愛である」 『ビハール・アル=アンワール』75巻、107頁。
ムスリムの信心とその必要性
編集- 「信心とは、アッラーがあなたに命じられた場所であなたを見つけ損なうことがなく、かれがあなたに禁じられたところであなたを見つけないということである」 『サフィーナトゥ・アル=ビハール』2巻、678頁。
- 「誠に、信心の具わった(信仰の)小さな行為は、美徳のない多くの行為よりも良い」 『アル=カーフィー』2巻、76頁。
アフルル・バイトへの情愛
編集- 「われわれ(アフルル・バイト)の役に立つことができない者は、われわれの敬虔な従者の役に立ちなさい。われわれを参詣できない者は、われわれの高潔な従者を参詣することで、われわれの参詣に与えられる報酬が記録される」 『ビハール・アル=アンワール』74巻、354頁。
- 「誠に、アッラーへの献身にはさまざまな度合いがあるが、われわれアフルル・バイトへの情愛はその最高のものである」 『ビハール・アル=アンワール』27巻、91巻。
容認される特質
編集- 「ムスリム信徒が参加してはならないのは、アッラーの法が服従されず、それを止められない立場に立たされる会合である」 『アル=カーフィー』2巻、374頁。
- 「習慣的に真実を語る者はその行為が純粋である。アッラーは良い意図をもつ者の糧を増やされる。また、自分の家族を親切に扱う者の命を延ばされる」 『アル=ヒサール』1巻、88頁。
- 「誠に、すべてが信ずる者を怖がる。アッラーの教えが彼を強力にされ、また彼を怖がらせるものは何もないからである。これは信ずる者なら誰もが持つ特質である」 『ビハール・アル=アンワール』67巻、305頁。
アフルル・バイトとその特質に従う者たち
編集- 「誠に、われわれが愛するのは、知恵があり、洞察力をもち、学識があり、自制し、忍耐し、信頼でき、誠実な人々である。誠に、栄光のアッラーは、預言者に高潔さを与えて寵愛された。それらが身についた者は、それらのためにアッラーを称賛するが、それらが身についていない者は、栄光のアッラーに泣いて求める」 ジャービルは慎ましやかに、それらが何かを質問すると、イマームは返答した。 「それは、敬虔さ、満足すること、忍耐強さ、感謝、自制、慎み深さ、慈悲深さ、勇気、熱意、博愛、誠実、寄託に正直であること」 『アル=カーフィー』2巻、56頁。
- 「アッラーに服従する者はわれわれを愛する者であり、かれに服従しない者はわれわれ(アフルル・バイト)の敵である」 『アル=カーフィー』2巻、75頁。
罪とその結果
編集- イマーム・サーディクがある集団に呼びかけ、なぜ神の使徒を悩ませたのかと問うた。 誰かがイマームにどうして彼らがそうしたのかと尋ねると、彼は言った。 「あなたがたの行為が彼に報告されるのを知らないのか?彼はアッラーへの罪を彼らの中に目撃されたときは不快になられる。だから神の使徒を傷つけてはならず、彼を喜ばせなさい」 『ウスール・アル=カーフィー』1巻、219頁。
知識とその価値
編集- 「あなたの知識には注意しなさい。それを誰から得ているかに気をつけなさい」 『ビハール・アル=アンワール』2巻、92頁。
- 「知識を習得するよう努めなさい。それを忍耐と品位で飾りなさい。そして、あなたから知識を学ぶ者に対しては謙虚であれ」 『アル=カーフィー』1巻、36頁。
- 「知識を学び、それにしたがって行為し、アッラーのためにそれを教える者は、天国で堂々と呼ばれるであろう」 『アル=カーフィー』1巻、35頁。
高潔な行為
編集- 「ムスリム信徒が死んだ後で益になることが六つある。 彼のために赦しを請う敬虔な子供 。啓典からの読誦 。(人々の役に立つように)井戸を掘ること 。彼が植えた木 。慈善で水流をつくること 。彼の後(人々が従う)良い伝承」 『アル=ヒサール』323頁。
同胞ムスリムの権利
編集- 「次の四つの特性は預言者(彼とその家族の上に神の祝福と平安あれ)の作法である。公正、親切〔礼儀正しい〕、根気強さ、不運のときの忍耐強さ、そして信ずる者の権利のために立ち上がること」 『トゥハフ・アル=ウクウル』277頁。
- 「信ずる者の権利を確実に預けることよりも価値あるアッラーへの崇拝はない」 『アル=カーフィー』2巻、170頁。
挨拶
編集- 「アッラーとその使徒がより愛されるのは、挨拶を先にした者である」 『ワサーイル・アル=シーアフ』12巻、55頁。