孫子

紀元前500年ごろにおける中国春秋時代の軍事思想家孫武が作ったとされる兵法書

孫子は中国・春秋時代の兵法書。伝統的に孫武の作とされる。

引用

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計篇

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  • 兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。
    兵者國之大事也。死生之地、存亡之道、不可不察也。
  • 算多きは勝つ。
    多算勝。
  • 兵は詭道なり。
    兵者、詭道也。

作戦篇

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  • 兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを睹さざるなり。
    兵聞拙速、未睹巧之久也。

謀攻篇

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  • 国を全うするを上と為し、国を破るは之に次ぐ。
    全國爲上、破國次之。
  • 百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり。戦はずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり。
    百戰百勝、非善之善者也、不戰而屈人之兵、善之善者也。
  • 彼を知り己を知れば百戦殆ふからず。彼を知らずして己を知れば一勝一負す。彼を知らず己を知らざれば戦ふ毎に必ず殆ふし。
    知彼知己、百戰不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼不知己、毎戰必殆。

形篇

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  • 勝兵は先づ勝ちて而る後に戦ひを求め、敗兵は先づ戦ひて而る後に勝ちを求む。
    勝兵先勝而後求戰、敗兵先戰而後求勝。

勢篇

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  • 戦ひは、正を以て合し、奇を以て勝つ。
    戰者、以正合、以奇勝。
  • 色は五に過ぎざるも、五色の変は勝げて観るべからず。
    色不過五、五色之變、不可勝觀也。

虚実篇

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  • 善く戦ふ者は、人を致して人に致されず。
    善戰者、致人而不致於人。
  • 善く攻むる者は、敵其の守る所を知らず。善く守る者は、敵其の攻むる所を知らず。
    善攻者、敵不知其所守。善守者、敵不知其所攻。

軍争篇

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  • 其の疾きこと風のごとく、其の徐かなること林のごとく、侵掠すること火のごとく、動かざること山のごとく、知り難きこと陰のごとく、動くこと雷霆のごとし。
    其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山、難知如陰、動如雷霆。
  • 故に、高陵に向かうことなかれ、丘を背にするには逆らうことなかれ、佯り北ぐるには従うことなかれ、鋭卒には攻むることなかれ、餌兵には食らうことなかれ、帰師には遏むることなかれ、囲師には必ず闕き、窮寇には迫ることなかれ、これ兵を用うるの法なり。
    故用兵之法、高陵勿向、背丘勿逆、佯北勿從、鋭卒勿攻、餌兵勿食、歸師勿遏、圍師必闕、窮寇勿迫、此用兵之法也。

九地篇

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  • 始めは処女の如く、敵人戸を開くや、後は脱兎の如く、敵は拒ぐに及ばず。
    始如處女、敵人開戸、後如脱兔、敵不及拒。

火攻篇

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  • 戦へば勝ち攻むれば取るも、其の功を修めざる者は凶なり。
    戰勝攻取、而不修其功者凶。
  • 怒りは復た喜ぶべく、慍りは復た悦ぶべきも、亡国は以て復た存すべからず、死者は以て復た生くべからず。
    怒可復喜也、慍可復悦也、亡國不可以復存、死者不可以復生。

外部リンク

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