小林ハル
日本の瞽女
小林ハル(こばやし はる、1900年1月24日 - 2005年4月25日)は、日本の瞽女。5歳から修行をはじめ、数多くの苦難を経て晩年に「最後の長岡瞽女」[1]、「最後の瞽女」として脚光を浴びた。1978年、瞽女唄伝承者として無形文化財に指定。1979年、黄綬褒章授与。
語録
編集- 「どこに行ってもいくつになっても、いろいろな苦労はあるものだ、でも、どんなにせつなくても、心のうちは神さまや仏さまが見透かしておられる。他の人たちは、そんなことをわからずに、言いたいことを言い、したいことをするが、私は決して無理なことを言ったり、したりしないで、神さま、仏さまにおまかせしてきた」[2]
- 「いいったって悪いったって、そこに入ってそこにいる限り、よくても泣くような辛いことあても、笑ってつとめねばなんね」[3]
- 「他人からなんと言われようとも、盗人と言われなければ、それでいいんです。本当のことは神さまや仏さまが見ていてよく知っていなさるんです。だから、言いたいことだっていっぱいあるけど、それを口に出したり、口を返すようなことをしたら、私も同じ罪になってしまう」[4]
- 「いい人と歩けば祭り、悪い人と歩けば修行」[5]。
- 「普通の時やるのは当たりまえ。難儀な時やるのがほんとうの仕事」[6]
- 「人間は諦め一つ、諦めれば思うことない」[7]。
- 「めんどうな時は音出さねえで黙ってる。言葉返さねば、けんかにならねエ」[8]
- 「人の上になろうと思えばまちがい。人の下になっていようと思えばまちがえない」[9]
- 「私が今、明るい目をもらってこれなかったのは前の世で悪いことをしてきたからなんだ。だから今、どんなに苦しい勤めをしても、次の世では虫になってもいい。明るい目さえもらってこれればそれでいいから、そう思ってつとめ通してきた」[10]
- 「瞽女と鶏は死ぬまで唄わねばなんね」[11]
出典
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参考文献
編集- 小林ハル(語り)、川野楠己(構成) 『小林ハル光を求めた一〇五歳 最後の瞽女』 NHK出版、2005年。ISBN 4-14-081078-5。
- 下重暁子 『鋼の女 最後の瞽女・小林ハル』 集英社〈集英社文庫〉、2003年。ISBN 4-08-747611-1。