「辞世の句」の版間の差分

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*つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを -[[在原業平]]
 
*手に結ぶ水にやどれる月影の あるかなきかの世にこそありけれ -[[紀貫之]]
 
*無覚の聖衆来迎 空に満つ -[[空也]]
 
*夜もすがら契りしことを忘れずは恋ひむ涙の色ぞゆかしき -藤原定子
 
*われ死ぬるものならば、まずこの女宮達をなん、忌のうちに皆とり持て行くべき -花山天皇
 
*虫の音のよわるのみかは過ぐる秋を 惜しむ我が身ぞまづ消えぬべき -近衛天皇
 
*父を斬る子、子に斬らるる父、斬るも斬らるるも宿執の拙き事、恥ずべし恥ずべし、恨むべし恨むべし -[[源為義]]
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*願わくば逆縁をもって順縁とし、只今最後の念仏によって、九品蓮台に生を遂ぐべし -[[平重衡]]
 
*御経もいま少しなり。読み果つる程は、死したりとも、我を守護せよ -[[源義経]]
 
*願はくは[[花]]の下にて[[春]][[死|死なむ]] そのきさらぎの望月の頃 -[[西行]]
 
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*業鏡高く懸ぐ三十七年、一槌打ち砕けば、大道坦然たり -[[北条時頼]]
 
*一代聖教みな尽きて 南無阿弥陀仏に成り果てぬ -[[一遍]]
*:時宗の開祖。「捨て聖」と呼ばれ、入寂に際しすべての著作を焼き捨てたという。
 
*わが亡骸は野に捨て、獣に施すべし -一遍
 
*みづから一念発心せんよりほかには 三世諸仏の慈悲も済ふことあたはざるものなり -一遍
 
*わが命をちぢめて、三代の中に天下を取らしめ給へ -足利家時
*:尊氏・直義兄弟の祖父。八幡太郎義家の置文の中に「七代の後に再び生まれて天下の政をとらん」なる文言があったが、それを七代目に当たる家時が果たせなかったため、八幡大菩薩に祈って自刃した。その時残した置文。
 
*[[秋]]を待たで葛原岡に消える身の[[露]]のうらみや世に残るらん -[[日野俊基]]
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*返らじとかねて思えば梓弓 なき数に入る名をぞ留むる -楠木正行
 
*それ道に去来生死の相なく また安危治乱の変なし -[[夢窓疎石]]
 
*虚空地に落ち 火星乱れ飛ぶとも 筋斗を倒打して 鉄囲を抹過せん -[[絶海中津]]
 
*須弥南畔(この世界) 誰か我禅に会う 虚堂来る也 半銭に値せず -[[一休宗純]]
*身後精魂 何処にか去る 黄陵の夜雨 馬嵬の風 -一休宗純
 
*かかる時さこそ命の惜しからめかねて亡き身と思い知らずば -[[太田道灌]]
*:主家上杉邸で暗殺された時、「当方滅亡!」と叫んだという。
 
*何事も夢まぼろしと思い知る身には憂いも喜びもなし -足利義政
 
*眺むる月にたちぞ浮かるる -[[飯尾宗祇]]
 
*[[五月雨]]は露か[[涙]]か[[時鳥|不如帰]]我が名をあげよ[[雲]]の上まで -[[足利義輝]]
 
*おのづから枯れ果てにけり草の葉の主あらばこそ又も結ばめ -諏訪頼重
 
*討つ人も討たるる人も諸共に 如露亦如電 応作如是観 -[[大内義隆]]
*:陶晴賢の謀叛に遭い大寧寺で自害。
 
*何を惜しみ何を恨まんもとよりもこの有様の定まれる身に -陶晴賢
 
*宗鑑はいづこへと人の問うならばちと用ありてあの世へといえ -山崎宗鑑
 
*大ていは[[地]]に任せて肌骨好し紅粉を塗らず自ら風流 -[[武田信玄]]
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*七転八到 四十年中 無自無他 四大本空 -朝倉義景
 
*今はただ恨みもあらじ諸人の命に代はる我が身とおもへば -別所長治
*:播磨三木城主。秀吉の大軍に城を包囲され、「三木の干殺し」として知られる長期にわたる籠城戦のすえ開城。城兵の助命と引き換えに切腹。
 
*おぼろなる月もほのかに雲かすみ晴れて行くへの[[西]]の山のは -武田勝頼
*黒髪の乱れたる世ぞ果てしなき 思いに消ゆる露の玉の緒 -北条夫人
*:武田勝頼夫人
 
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*順逆二門に無し大道心源に徹す五十五年の[[夢]]覚め来れば一元に帰す -[[明智光秀]]
 
*浮世をば今こそ渡れ武士(もののふ)の名を高松の苔に残して -清水宗治
 
*さらぬだに打ちぬる程も[[夏]]の夜の別れをさそふ郭公(ほととぎす)かな -お市
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*昔より主をば討つ身の間なれば報いを待てや[[豊臣秀吉|羽柴筑前]] -織田信孝
 
*この頃の厄妄想を入れ置きし鉄鉢袋今破るなり -[[佐々成政]]
 
*吹きと吹く風な恨みそ花の春紅葉も残る秋あらばこそ -北条氏政
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*罪をきる弥陀の[[剣]]にかかる身のなにか五つの障りあるべき -駒姫
*:豊臣秀次の側室
 
*石川や浜の真砂はつきるとも世に盗人の種はつくまじ -石川五右衛門
*:盗賊。京の三条河原で処刑。
 
*限りあれば吹かねど花は散るものを心みじかき春の山風 -蒲生氏郷
 
*露と落ち露と消えにし我が身かな[[難波|浪速]]のことは夢のまた夢 -[[豊臣秀吉]]
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*散りぬべき時知りてこそ世の中の花も花なれ人も人なれ -[[細川ガラシャ]]
 
*筑摩(ちくま)江や芦間に灯すかがり火とともに消えゆく我が身なりけり -石田三成
*この頃の厄妄想を入れ置きし鉄鉢袋今破るなり -[[佐々成政]]
 
*清風払明月 明月払清風 -安国寺恵瓊
 
*思ひ置く言の葉なくてつひに行く道は迷はじなるにまかせて -[[黒田如水]]
 
*なかなかに世をも人をも恨むまじ 時にあはぬを身のとがにして -[[今川氏真]]
 
*嬉やと 再び覚めて 一眠り 浮世の夢は 暁の空 -[[徳川家康]]
 
*春秋の花も紅葉もとどまらず人も空しき関路なりけり -島津義弘
 
*嬉やと 再び覚めて 一眠り 浮世の夢は 暁の空 -[[徳川家康]]
*碁なりせば劫(コウ)なと打ちて生くべきに[[死]]ぬるばかりは手もなかりけり -本因坊 算砂(ほんいんぼう さんさ)
*曇りなき心の月を先だてて浮世の[[闇]]を照してぞ行く -[[伊達政宗]]
 
*西に入る月を誘い法を得て今日ぞ火宅をのがれけるかな -春日局
 
*全身を埋めて、ただ土を覆うて去れ。経を読むことなかれ -[[沢庵|沢庵宋彭]]
 
*昨日といい今日とくらして飛鳥川 流れてはやき月日なりけり -小堀遠州
 
*み菩薩の種を植えけんこの寺へ みどりの松の一あらぬ限りは -宇喜多秀家
 
*武蔵野の草葉の末に宿りしか都の空にかえる月かげ -東福門院和子
 
*心平等といへども事に差別あり 差別の中心はまさに平等たるべし -[[契沖]]
 
*[[風]]さそふ[[花]]よりもなほ我はまた[[春]]の名残を いかにとやせん -浅野長矩
 
*あら楽思いはるる身は捨つる浮世の月にかかる雲なし -[[大石蔵之助良雄|大石助]]
 
*極楽の道はひとすぢ君ともに阿弥陀をそへて四十八人 -大石内藏助
 
*天てらす月のひかりともろもろに 行すへすゞし曙のそら -阿部重次
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*旅に病んで夢は枯野をかけ廻る -[[松尾芭蕉]]
 
*木枯しや跡で芽をふけ川柳 -柄井川柳
 
*しら[[梅]]に明(あく)る夜ばかりとなりにけり -[[与謝蕪村]]
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*おもしろきこともなき世をおもしろく -[[高杉晋作]]
 
*都々逸も うたいつくして三味線枕 楽にわたしはねるわいな - [[都々逸坊扇歌]]
*よしや身は[[北海道|蝦夷]]が島辺に朽ちぬとも魂は東の君やまもらむ -[[土方歳三]]
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*願はくはのちの蓮の花の上にくもらぬ月を見るよしもがな -[[大田垣蓮月]]
 
*腹いたや苦しき中に明けがらす -[[山岡鉄舟]]
 
*うつし世を[[神]]さりましし大君のみあとしたひて我はゆくなり -[[乃木希典]]
*いでまして帰ります日のなしと聞く今日のみゆきにあふぞ悲しき -乃木静子