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*秋のけはひ入り立つままに、土御門殿の有様、いはんかたなくをかし。池のわたりの梢ども、遣水のほとりの草むら、おのがじし色づきわたりつつ、おほかたの空もえんなるにもてはやされて、不断の御読経の声々あはれまさりけり。やうやう涼しき風のけはひに、例の絶えせぬ水のおとなひ、夜もすがら聞きまがはさる。 -[[紫式部]]『紫式部日記』
 
*こころなき身にもあわれさびしさその色とられもなかりけりつ山の秋の[[夕暮れ]] ---[[西行寂蓮]]
*:『新古今和歌集』秋上・361。
 
*菜もこころなきれはしられけり 焼[[茄子]]立つ沢の秋の夕暮 ---[[唐衣橘州西行]]
*:『新古今和歌集』秋上・362。
*:上記の西行の歌を本歌とする狂歌。
 
*見渡せば[[花]]も[[紅葉|もみぢ]]もなかりけり浦のとまや苫屋の秋の夕暮 --[[藤原定家]]
*:『新古今和歌集』秋上・363。上二首とともに「三夕の歌」と称される。
 
*菜もなき膳にあはれはしられけり鴫焼[[茄子]]の秋の夕暮 -[[唐衣橘州]]
*:上の西行の歌を本歌とする狂歌。
 
*[[山]]深み[[春]]とも知らぬ松の戸に たえだえかかる[[雪]]の玉水 - [[式子内親王]]『新古今和歌集』