「団藤重光」の版間の差分

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ページの作成:「団藤重光(だんどう しげみつ、1913年11月8日 - 2012年6月25日)は、日本の法学者。 ==== 『法学の基礎 第2版』 ==== *...」
 
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**p.35
 
*法規範は、しかし、多くの場合、裁判規範としてはたらく前に行為規範としてはたらく。「人を殺してはならない」、「人に損害をあたえてはならない」という法規範――それは法規に直接の明文はないが、刑法の殺人罪の規定や民法の不法行為の規定の背後に当然に予想されている法規範である――が、まず行為規範としてはたらく。(
**p.52)
 
*法においては、本人にとって可能であったことを前提として、本人に非難を帰することができる。「法律は不能を強いない(Lex non cogit ad impossibillia.)」といわれるのも、この意味を含むであろう。カントは道徳について、「汝なすべきがゆえに、汝なすことができる(Du kannst, denn du sollst.)」とした。道徳については、かような厳しさが要求されるかも知れない。しかし、法の世界――ことに刑法のような領域――では、「汝なすことができるゆえに、汝なすべきである(Du sollst, denn de kannst.)」といわなければならない。
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*聖トーマスのいったように、「あわれみのない正義は冷酷である(iustitia sine misericordia crudelitas est.)」。しかし、また「正義のないあわれみは解体の母である(misericordia sine iustitia mater est dissolutionis.)」(zitiert nach Henkel, op. cit., S. 323, 2. Aufl. S. 419)。シェークスピアは、『ヴェニスの商人』の中で、ポーシャに「正義は慈悲(mercy)が味つけ(season)すること」が必要だといわせている(4幕1場197行)。それによって、具体的正義が得られるわけである。
**p.231
 
== 外部リンク ==
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