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=== 『赤光』 ===
====「死にたまふ母」====
*寄り添へる吾を目守りて言ひたまふ何かいひたまふわれは[[子]]なれば
*はるばると藥をもちて來しわれを目守りたまへりわれは子なれば
*死に近き[[母]]に添寢(そひね)のしんしんと遠田(とほた)の[[蛙]](かはづ)天に聞ゆる
*我が母よ死にたまひゆく我が母よ我を生まし乳足(ちた)らひし母よ
*のど赤き[[燕|玄鳥]](つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳ねの母は死にたまふなり
*わが母を焼かねばならぬ[[火]]を持てり天つ空には見るものもなし
*山ゆゑに笹竹の子を食ひにけりははそはの母よははそはの母よ
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***長崎医専教授として赴任した長崎の印象。『あらたま』の巻末歌。
*ただひとつ惜しみて置きし[[白桃]]のゆたけきを吾は食ひおはりけり
**『白桃』
*[[最上川]]逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも
**『白き山』
*最上川の上空にして残れるはいまだうつくしき[[虹]]の断片
**『白き山』
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