「世阿弥」の版間の差分

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あ→揚
Izayohi (トーク | 投稿記録)
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*我が位の程々よくよく心得ぬれば、その程の花は一期失せず。位より上の上手と思へば、元ありつる位の花も失するなり。
 
*申、神代の初まりと言ふは、天照太神、天の岩戸の籠り給ひし時、天下とこやみになりしに、八百萬の神だち、天の香具山に集まり、おん神の御心を取らんとて、神を奏し、細男をはじめ給ふ。中にも、あまのうずめのみ子すすみ出で給ひて、さかきの枝にしでを付けて、をあげ、ほどろ焼き踏みとどろかし、神がかりすと、謡ひ舞ひかなで給ふ。……。その時の御遊び、申の初めと云々。
 
*そもそも、能とは、諸人の心をやはらげて、上下の感を成さん事、寿福増長の基、か齢延年の法なるべし。……。されば、いかなる上手なりとも、衆人愛敬欠けたる所あらんをば、寿福増長の仕手とは申し難し。
 
*上手は下手の手本、下手は上手の手本なり。