管子

管仲に仮託して書かれた法家の書物
  • 商賈在朝。則貨財上流。婦言人事。則賞罰不信。男女無別。則民無廉恥。貨財上流。賞罰不信。民無廉恥。而求百姓之安難。兵士之死節。不可得也。
    • 商賈朝にあれば、貨財上流す、婦、人事を言へば、賞罰信ならず、男女別なければ、民廉恥なし。貨財上流し、賞罰信ならず、民廉恥なくして、百姓の難に安んじ、兵士の節に死することを求むるも、得べからざるなり。
  • 上恃亀筮、好用巫毉、則鬼神數崇、故功之不立、名之不章、為之患者三、有独王者、有貧賎者、有日不足者。一年之計莫如樹穀、十年之計莫如樹木、終身之計莫如樹人、一樹一穫者穀也、一樹十穀者木也、一樹百穫者人也、我苟種之、如神用之、挙事如神、唯王之門。
    • 上、亀筮(きぜい)を恃(たの)み、好(この)みて巫毉(ふい)を用(もち)ふれば、鬼神(きしん)數々(しばしば)祟(たゝ)る。故に功(こう)の立(た)たず、名(な)の章(あきら)かならざるは、之が患(うれひ)を為(な)す者三(みつ)、独王(どくわう)なる者あり、貧賎(ひんせん)なる者あり、日(ひ)足(た)らざる者あり。一年の計は穀を樹(う)うるに如(し)くはなく、十年の計は木を樹うるに如くはなく、終身の計は人を樹うるに如くはなし。一樹一獲なる者は穀なり、一樹十穫なる者は木なり、一樹百穫なる者は人なり。我苟(いやしく)も之を種(う)うれば神(しん)の之を用(もち)ふるがごとし。事を挙ぐること神の如きは、唯(ただ)王の門のみ。


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