ゼノン (ストア派)
古代ギリシャの哲学者
キティオンのゼノン (Ζήνων Zēnōn, 紀元前335年 - 紀元前263年)は、キプロス島キティオン出身の哲学者でストア派の創始者。その著作は伝来せず、古代の他の著作家の引用によって断片が残るのみである。
引用
編集- 幸福とは生のよき流れである。
- ストバイオス, ii. 77 に引用。
- 愛は神であり、ポリスの安全を確かなものにする際、共に働く。
- アテナイオス『食卓の賢人たち』、xiii. 561c に引用。
- 至善なることとは、誰かにとって友人であることである。
- アレクサンドリアのクレメンス『ストロマータ』v.14 に引用。
- 耳はふたつ、口はひとつ、ゆえにしゃべるより多く聞かなければならない。
- ディオゲネス・ラエルティオス『哲学者列伝』、7.23 に引用。
- 悪に名誉はない。死は名誉あるものである。ゆえに死は悪ではない。
- ルキウス・アンナエウス・セネカ「道徳的書簡」82篇に引用。
- 悪い感情とは理性に賛成しない心が起こす騒ぎであり、自然に反している。
- キケロ『トゥクルム荘対談集』、iv. 6 に引用。
- 理性(ロゴス)を働かせるものはそうでないものより優れている。宇宙より優れたものはない。ゆえに宇宙は理性を働かせている。
- キケロ『事物の本性について』ii. 8 および iii. 9 に引用。
キティオンのゼノンについての引用
編集- 古代ギリシアにおける無政府主義者の哲学のもっともよい典型はゼノンである。クレタ出身のゼノンはストア派の哲学を創始したが、政府をもたない自由な共同体を構想して、プラトンのユートピア国家に明瞭に反対している。--ピョートル・クロポトキン「無政府主義」『ブリタニカ百科事典』 (1910年) 。
- The best exponent of anarchist philosophy in ancient Greece was Zeno (342-267 or 270 B.C.), from Crete, the founder of the Stoic philosophy, who distinctly opposed his conception of a free community without government to the state-Utopia of Plato.