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*秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、[[烏]]の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの列ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。[[日]]入り果てて、[[風]]の[[音]]、[[虫]]の音など、はたいふべきにあらず。 - [[清少納言]]三巻本系『枕草子』
 
*秋のけはひ入り立つままに、土御門殿の有様、いはんかたなくをかし。池のわたりの梢ども、遣水のほとりの草むら、おのがじし色づきわたりつつ、おほかたの空もえんなるにもてはやされて、不断の御読経の声々あはれまさりけり。やうやう涼しき風のけはひに、例の絶えせぬ水のおとなひ、夜もすがら聞きまがはさる。 -[[紫式部]]『紫式部日記』
 
*こころなき身にもあわれはしられけり 鴫立沢の秋の[[夕暮れ]] --[[西行]]
 
*菜もなき膳にあわれはしられけり 鴫焼[[茄子]]の秋の夕暮れ --[[唐衣橘州]]
*:上記の西行の歌本歌取りとする狂歌。
 
*見渡せば[[花]]も[[紅葉|もみぢ]]もなかりけり浦のとまやの秋の夕暮 --[[藤原定家]]