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* 元来性悪論者は常に専制主義に終り、性善論者は常に自由主義に終る。
* 現代に於ける社会革命の脅威が、世界を支配して居るのも、等しくこれ資本主義に現れたる上流階級の利己主義にその原因を発する。従ってその救済策も亦、その資本家階級に犠牲を説き、義務を教へることに在る。これ仏蘭西に起った社会連帯主義の主張の精神であって、今日に於てこの主張が最も時弊に適中するのは之が為である。
* この上級階級に義務を教へると云ふ点が、儒教と社会連帯主義の共通点であって、これ以外に今日の革命主義の脅威に対して、世界を救ふべき良剤は無いのである。近時世界戦後に於て、儒教の研究が再び西洋に擡頭し来つたといふ事は、要するに西洋文明の権利主義、利己主義に対する東洋文明の義務心、殊に上層階級の犠牲を教へる特長に着眼しつつある世界の傾向を暗示するものではあるまいか。
 
{{wikipedia|五来欣造}}