王維

唐の官僚、詩人

王維おう い、701年(大足元年) - 761年(上元二年))は中国、盛唐期の詩人、画人。孟浩然と併せ、王孟と称される。また、詩仏とも呼ばれる。

王維

引用 編集

  • 紅豆は南の国に生え、春がくれば幾つかの枝に実を付ける。君よ、たくさん摘みたまえ。これは恋の実、恋心をなにより誘うものだから。--恋ごころ
    紅豆生南國 紅豆南国に生じ
    春來發幾枝 春来たらば幾枝か発す
    願君多采擷 願わくば君多く采擷せよ
    此物最相思 此の物最も相思わしむ-- 相思
  • 渭城の朝の雨が道の埃を落ち着かせ
    旅館の柳も青々と生き返ったようだ
    さあ君、もう一杯やりたまえ
    西方の陽関を出てしまえばもう酒を交わす友もいないだろう --元家の二男が安西都護府に使者に出るのを見送って
    渭城朝雨裛輕塵 渭城の朝雨輕塵を裛し 
    客舎靑靑柳色新 客舎青青柳色新たなり
    勸君更盡一杯酒 君に勧む更に尽くせ一杯の酒
    西出陽關無故人 西のかた陽関を出づれば故人なからん -- 送元二使安西 元二の安西に使するを送る
  • ひっそりとした山に人影もなく
    ただかすかに人の声だけが聞こえる
    斜陽が深い林の中に差し込み
    また青い苔の上を照らし出す -- 鹿柴
    空山不見人 空山 人を見ず
    但聞人語響 但だ人語の響きを聞く
    返景入深林 返景 深林に入り
    復照靑苔上 復た青苔の上を照らす
  • 深く積もった海は極むべきもなく
    どうやって青い海原の向こうの東の国を知ることができようか

    世界中でどこが一番遠いだろう、それは君が帰る日本の国だ
    遥かな距離も風に乗るようにゆくのだろう
    その国へ向かうにはひたすら上る太陽をみるように東に向かい
    帰国の船は帆をただ風に任す
    世界の果て、山を背負った大海亀の身は天に映えて黒く
    魚の眼は波を射て紅い
    君の故郷の樹、日が出る場所に生える扶桑の樹のさらに向こうに
    君は島へひとり帰っていく
    こたび別れればまさに異郷に離れ離れになってしまう
    どうやって君に便りをしたらいいのだろう -- 祕書晁監の日本国帰国を見送って
    積水不可極 積水極はむ可からず
    安知滄海東 安んぞ滄海の東を知らん
    九州何處遠 九州何處か遠き
    萬里若乘空 萬里空に乘ずるが若し
    向國惟看日 國に向ふは惟だ日を
    歸帆但信風 歸帆但だ風にまか
    鰲身映天黒 鰲身天に映じて黒く
    魚眼射波紅 魚眼波に射て紅なり
    郷樹扶桑外 郷樹扶桑の外
    主人孤島中 主人孤島の中
    離別方異域 別離方に異域なれば
    音信若爲通 音信若爲ぞ通ぜん  -- 送祕書晁監還日本  祕書晁監の日本國に還るを送る
    • 在唐の阿倍仲麻呂(中国名・晁衡)が日本に帰郷するに際し別れに送ったもの

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