中国の六朝時代の歳時記。梁の宗懍撰。

  • 七月七日は、牽牛織女、聚会の夜なり。 是の夕、人家の婦女、綵縷を結び、七孔の針を穿ち、或いは金銀・鍮石を以って針と為し、几筵・酒脯・瓜果を庭中に陳ね、以って巧(=裁縫技術)を乞う。喜子(=蜘蛛)の瓜上に網すること有れば、則ち以て符応と為す。 
    七月七日、爲牽牛織女、聚會之夜。 是夕、人家婦女、結綵縷、穿七孔針、或以金銀鍮石爲針、陳几筵酒脯瓜果於庭中、以乞巧。有喜子網於瓜上、則以爲符應。
  • 七月十五日、僧尼道俗は、尽く盆を営み諸仙を供す。
    盂蘭盆経を按ずるに云う、…仏は衆僧に勅し、皆な施主の為に、七代の父母を呪願し、禅定意を行ぜしめ、然る後に食を受けしむ。是の時、目連の母、一切の餓鬼の苦を脱するを得たり。 目連の佛に白すに、未来世の仏弟子にして、孝順を行う者も、亦た応に盂蘭盆を奉じて供養すべし、と。仏の言うに、大いに善し、と。故に後人は此に因り、広く華飾を為る。乃ち木を刻み竹を割り、蝋を飴にして綵を剪り、花葉の形を模し、工妙の巧を極めるに至る。
    七月十五日、僧尼道俗、悉營盆供諸仙。
    按盂蘭盆經云、…佛勅衆僧、皆爲施主、呪願七代父母、行禪定意、然後受食。是時、目連母、得脱一切餓鬼之苦。 目連白佛、未來世佛弟子、行孝順者、亦應奉盂蘭盆供養。佛言、大善。故後人因此、廣爲華飾。乃至刻木割竹、飴蠟剪綵、模花葉之形、極工妙之巧。

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