順徳天皇
日本の天皇
順徳天皇 (じゅんとくてんのう、1197年 - 1242年)は後鳥羽天皇の皇子であり、84代目の日本の天皇。承久の乱(1221年)で敗れ、佐渡に流罪される。同所で没。異称に順徳院(じゅんとくいん)、佐渡院(さどのいん)。
引用
編集- ももしきやふるき軒端のしのぶにもなほあまりある昔なりけり
- 『続後撰和歌集』収録。建保四年(1216)頃の二百首和歌の一首で、承久の乱の前。藤原定家の『小倉百人一首』にも収録。
- 同じ世の別れはなほぞしのばるる空行く月のよそのかたみに
- 『新拾遺和歌集』収録。詞書「後鳥羽院かくれさせ給うて、御なげきの比、月を御覧じて」。後鳥羽天皇は1239年、流刑地の隠岐で崩御した。
『順徳院御百首』(1232年)
編集佐渡で自選した歌集。藤原定家と隠岐の後鳥羽院に送り、合点を求めた。定家の評が残っている。
- ちくま川春ゆく水はすみにけり消えていくかの峰の白雪
- 『風雅和歌集』にも収録。
- 夢さめてまだ巻きあげぬ玉だれのひま求めてもにほふ梅が香
- 秋風にまたこそとはめ津の国の生田の森の春のあけぼの
- 人ならぬ
石木 もさらにかなしきはみつの小島の秋の夕暮- 定家は「この三十一文字、また字ごとに感涙抑え難く候。玄の玄、最上に候」と絶賛している。
- みつの小島は古今集陸奥歌「をぐろさきみつの小島の人ならば都のつとにいざといはましを」で知られる歌枕。
- 霧はれば明日も来てみむ鶉鳴く
石田 の小野は紅葉しぬらむ- 『続古今和歌集』にも収録。
- 谷ふかき
八峰 の椿いく秋の時雨にもれて年の経ぬらむ
- 里わかぬ春の隣となりにけり雪まの梅の花の夕風
- 暮をだになほ待ちわびし有明のふかきわかれになりにけるかな
- 『続千載和歌集』に第四句「ふるきわかれと」として収録。