フランシスコ (ローマ教皇)
第266代ローマ教皇
フランシスコ(羅: Franciscus、伊: Francesco、西: Francisco、英: Francis、1936年12月17日 - )は、第266代ローマ教皇(在位:2013年(平成25年)3月13日 - )。
語録
編集- 教皇選出以前
- 「人が神を探す時、まず神が人を探されており、あなたがたが神を見出そうとする時、神が最初に私たちを見出されます」[1][注 1] … 自らが神に出会った時の回顧を通し、神の慈悲について語った言葉。
- 「日本のキリスト教共同体は、200年以上も聖職者なしで維持されたのです」[2][注 2] … 隠れキリシタンを例に挙げ、万事聖職者任せではなく信徒たちが自律的に信仰を貫くよう促した言葉。
- 教皇選出第一声「ウルビ・エト・オルビ」 (2013年3月13日)
- 「ご存じのようにコンクラーヴェの義務はローマに司教を与えることですが、兄弟である枢機卿団は、ローマの司教を得るために世界の果てまで行ってきたようです。まず、名誉教皇ベネディクト16世に主の祝福と聖母のご加護がもたらされるように祈りましょう」[3][4]
- 「私たちはこのローマ教会の旅路を、兄弟愛と愛と信頼とによって、司教と民衆とが一緒になって歩み始めます。大いなる兄弟愛を以って世界中で共に祈り合いましょう。この道は必ずや新しい福音宣教の実を結びます」[3][5]
- 「私はあなたがたに祝福を授けようと思います。しかしその前にあなたがたにお願いします。まずあなたがたに主が私を祝福するよう祈っていただきたいのです。私に対するこの祈りは黙ってするようにしましょう」[3][6]
- 教皇選出から就任まで
- 「あなたがたの為した行いを神がお赦しになるように」[7] … 自分を教皇に選出した枢機卿団に語った言葉。
- 「私たちは歩みたいように歩み、多くのものを構築できます。しかし、イエス・キリストを告白しないならば、物事はうまくいきません。私たちは敬虔なNGOには成れても、教会に連なることも、主の花嫁となることもできません。誰でも、神に祈らない者は悪魔に祈っているのです。なぜなら、キリストを告白しないならば、悪魔の世俗性、悪魔的な世俗性[注 3]を告白しているからです」[8] … 教皇選出後初めてのミサにて。
- 「私は貧しい人々による貧しい人々のための教会を望む」[9][10] … メディアに対する初の会見にて。
- 就任後 (2013年3月19日 - )
- 「真の権力とは奉仕であることを忘れてはなりません。教皇の権力の行使もそうです。あなたがたは、ますます十字架の光の頂点にある奉仕へと迎え入れられるべきなのです」[11] … 就任後初めてのミサにて。
- 「喜べ!男も女も悲しむな!キリスト教徒は決して悲しむな!決して落胆していてはいけません!」[12] … 枝の主日にサン・ピエトロ広場で行った説教にて。
- 「アジア、とりわけ朝鮮半島に平和がもたらされんことを。和解の精神が育つよう祈る」[13] … 復活祭のウルビ・エト・オルビにて。
- 「キャリア主義はハンセン病だ」[14] … 聖職者達に対して出世への野心を戒めるために語った言葉。
- 戦争と平和
- 「この追悼施設に臨んでいえることは戦争は狂気だということです」2014年第一次世界大戦100周年追悼慰霊式典で。
- 「平和はつねに可能。祈りは平和の源」2015年1月1日聖母マリアの記念日に、会衆のプラカードの文言を朗読。
脚注
編集注釈
編集- ↑ 人間に対する神の愛の先行性に関しては、1ヨハネ4:19やローマ8:28-30を参照。
- ↑ ピウス9世から日本布教を依頼されたパリ外国宣教会のプチジャン神父は、1865年3月17日、大浦天主堂において、日本の潜伏キリシタンを発見した。最初に神父に話しかけたのはイザベリナ杉本ゆりであり、「ワレラノムネ、アナタノムネトオナジ」と、その信仰を告白した。その後、浦上の信徒たちは、日本人修道士バスチャンが殉教前に遺言した、カトリック司祭を識別する三項目(マリア崇敬、終生独身制、ローマ教皇への服従)を確認した上で、復活祭の前の「四旬節」について質問した。 cf. 長崎地方文化史研究所編『プチジャン司教書簡集』聖母の騎士社、1986年、pp. 68-78. 項目「浦上四番崩れ」も参照。
- ↑ 「悪魔の世俗性、悪魔的な世俗性」に対応する原文は “la mondanità del diavolo, la mondanità del demonio” である。聖書的伝統において、悪魔は「世俗性」、すなわち現世的な関心と緊密に結びついており、サタン、ベルゼブブなどとともに、アルコーン、「この世の君」(マタイ12:24 、ヨハネ12:31, 14:30, 16:11 、エペソ2:2, 6:12 など)も悪魔の異称と考えられてきたと、ジェフリー・バートン・ラッセルは指摘している(大瀧啓裕訳『悪魔の系譜』青土社、1990年、p. 451)。また、ライッサ・マリタンよる論考 “Le Prince de ce monde” (Paris, Plon, coll. « Roseau d'or », 1929)も参照。
出典
編集- ↑ Sergio Rubín, Francesca Ambrogetti. El Jesuita. Conversaciones con el cardenal Jorge Bergoglio, SJ. Vergara editor, pp. 45-47.
- ↑ What I would have said at the Consistory: An interview with Cardinal Jorge Mario Bergoglio, Archbishop of Buenos Aires 30 Days. (2007年11月)。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 Habemus Papam Franciscum! (2013年3月13日) 2013年4月8日閲覧。
- ↑ New Pope Francis's first words after election (2013年3月13日) ロイター. 2013年3月17日閲覧。
- ↑ Francisco I: «Parece que mis hermanos cardenales han ido a buscarlo al fin del mundo» (スペイン語) ABC. (2013年3月13日)。
- ↑ «Habemus Papam»: Jorge Mario Bergoglio es el nuevo Papa Francisco I ABC. (2013年3月13日)。
- ↑ With Simple Actions and Dress, New Pope Shifts Tone at Vatican The New York Times. (2013年3月14日)。
- ↑ Francisco celebró su primera misa como Papa La Nación. (2013年3月14日) 2013年3月15日閲覧。
- ↑ Papa Francesco: come vorrei una Chiesa povera e per i poveri (イタリア語) avvenire. (2013年3月15日) 2013年3月19日閲覧。
- ↑ Pope Francis describes wish for 'poor church for the poor' (英語) NBC News. (2013年3月16日) 2013年3月19日閲覧。
- ↑ El Papa Francisco: «El verdadero poder es el servicio» ABC. (2013年3月20日)。
- ↑ CELEBRAZIONE DELLA DOMENICA DELLE PALME E DELLA PASSIONE DEL SIGNORE OMELIA DEL SANTO PADRE FRANCESCO (2013年3月24日) 2013年4月6日閲覧。
- ↑ ローマ法王:復活祭のミサで「朝鮮半島に平和を」 毎日新聞 (2013年3月31日) 2013年3月31日閲覧。
- ↑ ‘Careerism is leprosy,’ Pope warns future diplomats (英語) カトリック・ヘラルド (2013年6月6日) 2013年6月12日閲覧。