中国の諺

ウィキメディアの一覧記事

中国の諺、慣用句を並べたものです。

日本の諺

  • 万の言葉では飢えを満たすことはできないが、一すくいの水は渇きを癒すことができる。
    萬句言語吃不飽、一捧流水能解渇。
  • 百回聞くことは一回見ることに及ばない、百回見ることは一回することに及ばない。
    百聞不如一見、百見不如一干。
  • 老樹根多く、老人識る多し
    樹老根多 人老識多
    老木には多くの根があり、老人には多くの知識がある。
  • 理があれば勝ち、理が無ければ負ける。
    有理贏 無理輸
  • 縄が木を断ち、水滴が石を穿つ。
    繩鋸木斷 水滴石穿
  • いいことを学ぶのに千日あっても足りないが、悪いことを学ぶのにちょっとの時間で事足りる
    學好千日不足 學壞一時有余
  • 靜にみれば物皆自得す -- 松尾芭蕉の訳
    萬物靜觀皆自得
  • や蠍の毒の如し。
    毒如蛇蠍
  • 猪八戒が人参果を食べる。
    豬八戒吃人參果
    ものの価値がわからない者にものを与えること。
  • 徳有る者、必ず言有り。
    有徳者 必有言
    人徳のあるものは必ず優れた言葉を言う。
  • 李下に冠を正さず。
    李下不正冠
    人に疑われるようなことをするな。
  • 鹿を逐う(おう)者、山を見ず。
    逐鹿者 不見山
    利益に夢中になると道理を見失う。
  • 人事を尽くして天命を待つ。
    盡人事待天命
    手を尽くした後で、成功するかどうかを天に任せる。
  • 錐の嚢中に処るがごどし。
    若錐之處嚢中
    才知あるものは隠れていてもそれが知られるものだ。
  • 他山の石、以って玉を攻む(さん)べし
    他山之石 可以攻玉
    他人の悪いことや失敗も、自分を修養するのに役に立つ。
  • 心頭を滅却すれば火も自づ(おのず)から涼し。
    滅却心頭火自涼
    精神の持ち方次第で苦痛を感じない。
  • 人の悪を称するものを悪む(にくむ)。
    悪稱人之悪者
    人の汚点を挙げつらう者を憎む。
  • 善の小なるを以って為さざること勿かれ(なかれ)。
    勿以善小而不為
    小さい善だからといって、しないことはいけない。
  • 我(が)に似せる者は生き、我(が)を象る(かたどる)者は死す。
    似我者生,象我者死
    師の教えを守りながらも創造し手を加える者は成長するがただ真似するだけの者は消えていく。
  • 兵来れば将遠し、水来れば土掩す。
    兵来将挡,水来土掩
    相手がどんな策略や手段を使っても,それ相応の対策を取る
  • 星星(せいせい)の火、以(もっ)て野を焼くべし
    星星之火,可以燎原
    小さな火であっても、それはやがて野一面を焼き尽くす炎となす。

漢籍に由来する日本語の成語

編集
  • 豹は死んで皮を留め 人は死んで名を留める[1]
    豹死留皮 人死留名 -- 『新五代史』王彦章伝
  • 角を矯(た)めてを殺す
    矯角殺牛(きょうかくさつぎゅう) -- 『玄中記』
  • 燕雀は天地の高きを知らず
    大夫曰 宇宙之内 燕雀不知天地之高也 -- 『鹽鐵論』復古
  • 燕雀いづくんぞ鴻鵠之志を知らん
    燕雀安知鴻鵠之志 -- 陳渉 世家、司馬遷史記
    燕や雀のような小鳥(小人物)には大鳥(大人物)の大志はわからない。
  • 牝鶏歌えば家滅ぶ
    牝鶏之晨 惟家之索 -- 周の武王、古人引用、司馬遷『史記』「周本紀」、『書経』「牧誓」にも。
  • 桃李言わざれども下自ずから蹊を成す。
    桃李不言下自成蹊 -- 李広 伝賛、司馬遷『史記』
  • 断じて敢行すれば鬼神もこれを避く
    斷而敢行 鬼神避之 -- 李斯 伝、司馬遷『史記』
  • 薪に臥し、肝を嘗める
    臥薪嘗胆 -- 司馬遷『史記』「呉越春秋」
    復讐あるいは成功のために苦労を耐え忍ぶ。
  • むしろ鶏口と為るも牛後と為る無かれ
    寧爲雞口無爲牛後 -- 司馬遷『史記』蘇秦伝、韓策『戦国策』昭侯
    後とは肛門のこと。
  • 禍によりて福となす、成敗の転ずること、譬れば糾える縄のごとし。 (災害
    因禍爲福 成敗之轉 譬若糾纆 -- 司馬遷『史記』113巻 南越伝
  • それ禍と福、何ぞ糾える縄に異ならん。(災害)
    夫禍之與福 何異糾纆 -- 『漢書』 賈誼伝
  • 朱に交われば赤くなる
    近墨必緇 近朱必赤 -- 『太子少傳箴』
  • 画龍点睛を欠く[2]
    畫龍點睛 -- 『水衡記』?
    又金陵安樂寺四白龍、不點眼睛。毎云、點睛即飛去。人以爲妄誕、固請點之。須臾雷電破壁、兩龍乘雲、騰去上天。二龍未點眼者見在。 -- 張彦遠『歴代名畫記』巻7「敍歴代能畫人名・梁 張僧繇」[3]
  • 虎穴に入らずんば虎子を得ず [4]
    不入虎穴 焉得虎子 -- 班超伝『後漢書
  • 虎の威を借る狐
    狐假虎威 -- 『戰國策』楚策から
  • 光陰箭(や)の如し
    光陰如箭 -- 李益『遊子吟』
  • 窮鼠も貍(ねこ)を噛む [5]
    窮鼠噛貍 -- 詔聖『塩鐵論』、貍は猫のこと
  • 来る者は拒まず、去る者は追わず
    來者勿拒 去者勿追 -- 斉の公羊高の口述『春秋 公羊傳註疏』隠公巻第二
  • 蛇足 [6]
    蛇固無足。子安能為之足。 --: 劉向『戦国策 斉策』
  • 青は藍より出でて藍より青し
    青取之於藍 而青於藍 -- 荀況『荀子 勧学編』
  • 知音
    伯牙善鼓琴 鐘子期善聴 -- 利澣『蒙求 伯牙絶絃』
  • 蛍雪の功
    夏月則練嚢盛數十螢火 以照書 -- 李瀚『蒙求 孫康映雪、車胤聚螢』
  • 朝三暮四
    朝三而暮四 -- 列禦寇『列子 黄帝編』
  • 石に漱ぎ流れに枕す
    孫子荊、年少時欲隱、語王武子、當枕石漱流、誤曰、漱石枕流。王曰、流可枕、石可漱乎。孫曰、所以枕流、欲洗其耳。所以漱石、欲礪其齒。 -- 劉義慶『世説新語』「排調第二十五」
    「枕石漱流(石に枕し流れに漱ぐ)」とは田舎に引退する意味。それを孫楚(孫子荊)が誤って「漱石枕流」と言ったが、誤りを指摘されると「耳を洗い、歯を磨くため」と強弁した。このことから「漱石枕流」は、負け惜しみが強いことをさす。日本の小説家・夏目漱石の号は、これに由来する。
  • 杞憂[7]
    杞國有人憂天地崩墜身亡所寄 癈寢食者 -- 列禦寇『列子 天瑞編』
  • 白眼視
    籍又能為青白眼 見禮俗之士 以白眼對之 -- 房玄齢『晋書 阮籍伝』
  • 青天の霹靂
    青天飛霹靂 陸游 九月四日鶏未鳴起作
  • 人間万事塞翁が [8]
    元の僧、熙晦機が『淮南子』人間訓の逸話を基にした漢詩、「人間萬事塞翁馬 推枕軒中聽雨眠・・」の冒頭。
  • 馬脚をあらわす
    露出馬脚 -- 元の雑劇『元曲陳州糶米、第三折』より。
  • 一犬吠形百犬吠聲(一犬(いっけん)虚(きょ)に吠ゆれば、万犬(ばんけん)実(じつ)を伝う)
    諺曰 一犬吠形百犬吠聲 世之疾、此固久矣哉 - 王符『潜夫論』賢難
  • おもんぱからずんばなんぞえん、為さずんばなんぞ成らん。
    弗慮胡獲 弗爲胡成 - 『書経
  • 一を聞いて十を知る
    子謂子貢曰 汝與回也孰愈 對曰 賜也何敢望回 回也聞一以知十 賜也聞一以知二 子曰 弗如也 吾與汝弗如也 -- 『論語』三巻 公冶長第五
  • 百聞は一見に如かず[9]
    百聞不如一見 -- 『漢書』趙充国伝
  • 酒は百薬の長
    夫鹽食肴之將、酒百薬之長、嘉會之好。鐵田 農之本、名山大澤、饒衍之臧。--『漢書』食貨志下
    • 王莽の勅とされる。
  • 酒は天の美禄
    酒者天之美禄 --『漢書』食貨志下
  • 小人閑居して不善をなす
    小人間居為不善 -- 『大学

注釈

編集
  1. 日本では、虎は死して皮を留め、人は死して名を残す 十訓抄(四)として、使われる
  2. 画龍点睛 Wiktionaryを参照。由来・語義、掲載。
  3. 外部リンク竜にまつわる故事成語(二)
  4. 虎穴に入らずんば虎子を得ずWiktinary参照
  5. Wiktionaryに窮鼠猫を噛むが掲載あり。
  6. Wiktinaryに、蛇足の項目があります。
  7. Wiktinaryに、杞憂の項目があり、語義・由来の解説があります。
  8. Wiktinaryに、塞翁が馬の項目があり、人間万事塞翁が馬の、訓読・語義・由来が解説されています。
  9. Wiktionaryに、百聞は一見に如かずが載っています。語義・訓読・解説が有ります。