国会答弁
国会答弁(こっかいとうべん)では、国会および帝国議会における、著名な答弁・演説・質問・発言を取り上げる。
戦前
編集猿は鉄道に乗せません
編集- 鉄道規則を読んでいただければわかりますが、猿は乗せないことになっております。 --原敬(内閣総理大臣)
- 1920年(大正9年)、岩手県の山田線敷設に関して、野党・憲政会議員からの「こんな所に鉄道を敷いて、首相は山猿でも乗せるつもりか。」という質問に対する、原敬首相(岩手県出身)の答弁。
腹切り問答
編集戦後
編集貧乏人は麦を食え
編集- 御承知の通りに戰争前は、米一〇〇に対しまして麦は六四%ぐらいのパーセンテージであります。それが今は米一〇〇に対して小麦は九五、大麦は八五ということになつております。そうして日本の国民全体の、上から下と言つては何でございますが、大所得者も小所得者も同じような米麦の比率でやつております。これは完全な統制であります。私は所得に応じて、所得の少い人は麦を多く食う、所得の多い人は米を食うというような、経済の原則に副つたほうへ持つて行きたいというのが、私の念願であります。 -- 池田勇人(大蔵大臣)
- 参議院予算委員会 昭和25年(1950年)12月07日
- 『貧乏人は麦を食え』はマスコミの報道であり、池田本人の言ではない。
ばかやろう……
編集- ばかやろう…… --吉田茂(内閣総理大臣)
座して死を待つ
編集- わが国に対して急迫不正の侵害が行われ、その侵害の手段としてわが国土に対し、誘導弾等による攻撃が行われた場合、座して自滅を待つべしというのが憲法の趣旨とするところだというふうには、どうしても考えられないと思うのです。そういう場合には、そのような攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限度の措置をとること、たとえば誘導弾等による攻撃を防御するのに、他に手段がないと認められる限り、誘導弾等の基地をたたくことは、法理的には自衛の範囲に含まれ、可能であるというべきものと思います。昨年私が答弁したのは、普通の場合、つまり他に防御の手段があるにもかかわらず、侵略国の領域内の基地をたたくことが防御上便宜であるというだけの場合を予想し、そういう場合に安易にその基地を攻撃するのは、自衛の範囲には入らないだろうという趣旨で申したのであります。この点防衛庁長官と答弁に食い違いはないものと思います。以上が政府を代表して、総理大臣からの本問題についての答弁でございます。どうぞよろしく御了承をお願いいたしたいと思います。 -- 船田中(防衛庁長官)
- 1956年02月29日 第24回衆議院内閣委員会
政府はスポンサード・ガバメントであり、総理は財界のちょうちん持ち
編集- 「もし理想的な政治資金規正法がつくられまして、これが厳密に運用されたら、自民党政府の存立はあり得ないでしょう。そのことはだれも知っておりますし、一番よく御存じなのは、佐藤さん、あなた御自身だと私は思います。だから、これは政治資金規正法の改正というのは私はできないと思います、あなたには。できもしないことを、やるのだやるのだとお約束になるから、ますます国民の不信を買うばかりであると私は信じます。(中略)資本主義国家なんですから、企業からお金を集めてそれを政治資金にするというのは、私は明らかにすればそれでいいと思うのです。できないならできないと明確におっしゃったほうが、一そうはっきりするのです。その代わり、政府はスポンサード・ガバメントであり、総理は財界のちょうちん持ちで男メカケである。 --青島幸男
- 1971年3月29日 予算委員会で。太字の箇所は自民党の要求で国会会議録より削除
記憶はございません
編集平成
編集個人ぐるみ
編集- 残念ながら、個人ぐるみでございます。申しわけございません。 -- 酒巻英雄(野村證券前社長)
- 1997年(平成9年)4月18日の衆議院大蔵委員会、総会屋利益供与事件に関して行われた参考人招致で、民主党の池田元久議員から「今度の事件、疑惑(には)、少なくとも三人の常務がかかわっている。…組織ぐるみでしょう。」と問われたことを受けた発言。
恐れず、ひるまず、とらわれず
編集- 痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず、恐れず、ひるまず、とらわれずの姿勢を貫き、二十一世紀にふさわしい経済社会システムを確立していきたい -- 小泉純一郎 (内閣総理大臣)
- 2001年(平成13年)5月7日の衆議院本会議、首相就任後初めての所信表明演説で。
母屋でおかゆ、離れですき焼き
編集- この件につきましては、十日ほど前でしたけれども、予算委員会で上田さんが指摘されましたね。私は、それを、非常に感銘を持って拝聴しました。というのは、私も、事実、ずっと長い議員生活の中では、これは実は疑問を持っておった点なのであります。要するに、母屋ではおかゆ食って、辛抱しようとけちけち節約しておるのに、離れ座敷で子供がすき焼き食っておる、そういう状況が実際行われておるんです。本当に私はそういう感じを持っておるんです。 -- 塩川正十郎(財務大臣)
人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ
編集- 人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろです。 --小泉純一郎(内閣総理大臣)
敵基地攻撃
編集- それは、今私どもといたしましては、そのような能力を有しておりません。これは累次国会でも答弁を申し上げておるわけでございますが、例えば航空自衛隊がそれじゃ一機百億円のF-15を持っておるではないか、じゃ、それが行ってたたけばいいではないかと、こう言われますが、それは単に飛行機が行けばいいというものではございませんで、そこへ行くためにはいろんな能力が必要です。現地の精密な地図も必要ですし、地対空ミサイルを落とすための技術も必要ですし、するとそんな簡単なお話ではないということでございますし、実際にそのような装備も有しておりません。また、海上自衛隊も、じゃイージス艦があるではないかと、こういうふうに言われますが、自らを守るシステムとしては世界最高性能のものを持っておりますが、もう昔で言う艦砲射撃のような敵地攻撃能力というようなものを有しているものは私どもは装備として持っておりません。(中略)現在私どもは防衛力としてそのようなものを有しておりません。したがいまして、政府としてはそれを合衆国にゆだねる、現在、私どもとしてはそれを行う能力も有していないということでございます。 -- 石破茂(防衛庁長官)
- 参議院イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会 2004年6月10日
- 『攻撃してくる弾道ミサイル基地を攻撃できるか』に答えて
自衛隊が活動している地域は非戦闘地域
編集- どこが戦闘地域で、どこが非戦闘地域か、今、私に聞かれたって分かるわけがない。イラク特措法に関して言えと、法律上、いうことになればですね、自衛隊が活動している地域は非戦闘地域なんです。 --小泉純一郎(内閣総理大臣)
- 2004年(平成16年)11月10日の国家基本政策委員会合同審査会(党首討論)で、岡田克也・民主党党首から「イラク特措法における非戦闘地域の定義を言ってください。」と問われたことを受けた発言。
刑事訴追のおそれ
編集- 刑事訴追のおそれがありますので、証言は控えさせていただきます。
-- 佐川宣寿(元・財務省理財局長)