立春

二十四節気のひとつ、暦の上での春の始まりの日

立春についての引用。

引用 編集

立春と霞 編集

  • ひさかたの天の香具山この夕霞たなびく春立つらしも --柿本人麻呂
    久方之 天芳山 此夕 霞霏 春立下
    『万葉集』巻十、1812
  • 春立つといふばかりにやみ吉野の山も霞みてけさはみゆらむ --壬生忠岑
    『拾遺和歌集』
  • 逢坂(あふさか)の関をや春もこえつらむ音羽の山のけさは霞める --橘俊綱
    『後拾遺和歌集』
  • 春のくるあしたの原を見わたせば霞もけふぞ立ちはじめける --源俊頼
    『千載和歌集』
  • み吉野は山も霞みて白雪のふりにし里に春は来にけり --藤原良経
    『新古今和歌集』
  • けさはまだ霞まぬ山もきのふより遠きばかりを春の色かな --心敬
  • を筑波(つくば)もとほつ葦穂(あしほ)も霞むなり嶺(ね)越し山こし 春や来ぬらむ --賀茂真淵
  • 春立つと峰の松原霞むより垣根の水を流れそめけり --熊谷直好

年内立春 編集

  • 年の内に春は来にけり一年を去年(こぞ)とやいはむ今年とやいはむ -- 在原元方
    『古今和歌集』春上、1
  • 年の内の春ゆゆしさよ古暦 --蕪村

東風解凍 編集

  • 孟春の月[…]東風凍りを解く --『礼記』月令
    孟春之月[…]東風解凍
  • 袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ --紀貫之
    『古今和歌集』春上、2
  • 池の凍りの東頭は風度(わた)って解く
    窓の梅の北面は雪封じて寒し --藤原篤持
    池凍東頭風度解
    窗梅北面雪封寒
    『和漢朗詠集』
  • うちなびき春は来にけり山川の岩間の氷けふやとくらむ --藤原顕季
    『金葉和歌集』
  • こほりゐし志賀の辛崎うちとけてさざ波寄する春風ぞ吹く --大江匡房
    『詞華和歌集』
  • 春はきぬ
      春はきぬ
    霞よ雲よ動(ゆる)ぎいで
    氷れる空をあたゝめよ
    花の香おくる春風よ
    眠れる山を吹きさませ --島崎藤村「春の歌」
    『若菜集』