みぶのただみね。平安時代中期の歌人。三十六歌仙の一。壬生忠見は子。
- 有明のつれなく見えし別れよりあかつきばかり憂きものはなし
- 藤原定家の『小倉百人一首』にも収録。
- 墨染の君にがたもとは雲ならや絶えず涙の雨とのみふる
- 春きぬと人は言へども鶯のなかぬかぎりはあらじとぞ思ふ
- くるるかとみればあけぬる夏の夜をあかずとやなく山ほととぎす
- 山田もる秋のかりほにおく露はいなおほせどりの涙なりけり
- 千鳥鳴く佐保の川霧たちぬらし山の木の葉も色まさりゆく
- 巻七賀歌 作者名不明とある。『忠岑集』には上記のとおり収録。拾遺集には「色かはりゆく」で忠岑作とする。
- 春立つといふばかりにやみよしのの山もかすみてけさは見ゆらむ
- 『忠岑集』巻頭歌。『和漢朗詠集』粘葉本では下の句を「けふは見ゆらむ」とする。