花野
花野(はなの)に関する引用。
引用
編集- 秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数ふれば七種(ななくさ)の花 --山上憶良
- 秋野尓 咲有花乎 指折 可伎數者 七種花
- 『万葉集』巻八・秋雑歌、1537
- 秋萩の花野のすすき穂には出でず我(あ)が恋ひわたる隠(こも)り妻はも
- 秋芽子之 花野乃為酢寸 穂庭不出 吾戀度 隠嬬波母
- 『万葉集』巻十・秋相聞、2285
- 秋の野を分けゆく露にうつりつつわが衣手は花の香ぞする --凡河内躬恒
- 『新古今和歌集』秋上、335
- 露すがる花野の薄おのれのみ草のたもとの秋や知るらん --藤原為家
- 秋萩の咲くや花野の露分けて衣にすらん人なとがめそ --藤原隆博
- 『玉葉和歌集』
- 松葉掻く人かすかなる花野かな --信徳
- 松明(まつ)消して海少し見ゆる花野かな --蕪村
- わが犬が蜻蛉(とんぼ)返りの花野かな --一茶
- なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな --与謝野晶子
- こよひ花野の夕づくよ
君待ちくらす心地して
月映(つきばえ)あかり面(おも)はゆき
すゞろ心の胸のときめき。--薄田泣菫「待ごころ」 - 川がつなぐ街をたどれば思い出は生まれる前の花野を行けり 佐伯裕子 「流れ」2013