白居易

唐代中期の詩人

白居易 (772-846)は中国、唐時代の詩人。字は楽天。「長恨歌」などを遺す。詩集『白氏文集』。

出典の明らかなもの

編集
  • 琴詩の友は皆我を抛つ 雪月花の時最も君を憶ふ 「寄殷律協」
    琴詩酒友皆抛我
    雪月花時最憶君
  • の下に帰らむことを忘るるは美景に因つてなり 樽の前に酔(ゑ)ひを勧むるはこれ 「酬哥舒大見贈」
    花下忘歸因美景
    樽前勸酒是春風
  • 燭を背けては共に憐れむ深夜の 花を踏んでは同じく惜しむ少年の春 「春夜」
    背燭共憐深夜月
    踏花同惜少年春
  • 林間に酒を煖めて紅葉を焼く 石上に詩を題して緑苔を掃ふ
    林間煖酒焼紅葉
    石上題詩掃緑苔
  • 蝸牛の角の上に何事をか争ふ 石火光中此身を寄す
    蝸牛角上爭何事
    石火光中寄此身
  • 遺愛寺の鐘は枕を欹(そばだ)てて聴き 香炉峰のは簾を撥げて看る
    遺愛寺鐘欹枕聴
    香炉峰雪撥簾看
  • 紅旗賊を破るは吾事にあらず 黄紙の除書に我が名なし 「劉十九同宿」
    紅旗破賊非吾事
    黄紙除書無我名
    • 黄紙は詔を書く用紙。除書は任官者を列記した名簿。叙は前任者を除き新官を任ずる意。日本の除目と同義。
  • 大抵四時心總苦 就中腸断是秋天 「暮立」
    大抵四時(しいじ)心総て苦しけれど なかんづく腸(はらわた)の断たるるは是れ秋天
    • 白居易40歳、母の喪中の作。
  • 人は木石に非ず 皆情有り 「李夫人」
    人非木石皆有情

長恨歌

編集
  • 寒くして浴を賜ふ華清の池 温泉水滑らかにして凝脂を洗ふ
    春寒賜浴華清池
    溫泉水滑洗凝脂
  • 鈿合金釵寄せもて去かしむ 
    鈿合金釵寄将去 
  • 天にありては願はくは比翼の鳥となり / 地にありては願はくは連理の枝とならん / 天長く地久しくとも盡くる時あり / この恨みは綿綿として盡きる事なからん
    在天願作比翼鳥 / 在地願為連理枝 / 天長地久有時盡 / 此恨綿綿無盡期