子
誕生から思春期前までの幼い人間のこと
子(こ)についての引用。子は血縁の子孫を指すと同時に、少児一般、転じて年若い青年やそれに近い精神状態の者をも指す。乳児をとくに指して赤子(あかご)、幼児を指して幼子(おさなご)という。年齢による区分としては、近代以降「児童」(じどう)の語が使われる。
出典の明らかなもの
編集- いざ子ども早く日本へ大伴の御津(みつ)の浜松待ち恋ぬらむ --山上憶良、『万葉集』巻一
- 「日本」は伝統的に「やまと」と訓ずる。
- 憶良らは今は罷らむ子泣くらむそを負ふ母も吾を待つらむそ --山上憶良、『万葉集』巻三
- 瓜食めば子供思ほゆ栗食めばまして偲はゆ何処より来たりしものそ目交(まなかひ)にもとな懸かりて安眠し寝さぬ --山上憶良、『万葉集』巻五
- 銀も金も玉も何ぜむに勝れる宝子に及かめやも --山上憶良、『万葉集』巻五
- 「瓜食めば」の反歌。
- とどめおきて誰をあはれと思ふらん子はまさるらん子はまさりけり --和泉式部、『後拾遺和歌集』収録。
- 詞書「小式部内侍なくなりて、むまごどもの侍りけるを見てよみ侍りける」。娘に先立たれたときの歌。自分と孫たちのどちらを娘は哀れと思っているだろうか、子であろう、自分も子と別れるほうが(親と別れるよりも)つらいものであるよ、との意。
- 巷間いわれるように、時代が私たちを子どもっぽくするんじゃありません。時代は私らが本当に子どもだってことを示すだけです。--ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ『ファウスト』第1部、序章、212行以下。「陽気な人物」の台詞。
- Das Alter macht nicht kindisch, wie man spricht, // Es findet uns nur noch als wahre Kinder. - Faust I, Vers 212 f. / Lustige Person
- 子どもはみな異邦人だ。--ラルフ・ウォルドー・エマソン『日記』1839年9月25日。
出典不詳のもの
編集- 謙遜は人間には当たり前だが、子どもには当たり前でない。謙遜は悪を知ってからでなければ身につかない。--ジャン=ジャック・ルソー
- 子どもに学問を教えてはならない。しかし子どもに学問を好む嗜好を身に付けさせねばならない。--ジャン=ジャック・ルソー
- 名月を取ってくれろと泣く子かな --古川柳
- 役人の子はにぎにぎをよくおぼえ --古川柳
- 子どもの問題とは、人類の問題なのです。--マリア・モンテッソーリ
- ドイツ語から重訳。
- 子どもたちは、道を尋ねる来訪者なのです。--マリア・モンテッソーリ
- ドイツ語から重訳。
諺
編集- 賢い両親からでも阿呆な子は生まれる。--オランダの諺
- ドイツ語から重訳。
- 子は鎹。--日本の諺
- 子どもをひとり育てるには、村がまるごとひとつ要る。--アフリカの諺
- ドイツ語から重訳。
- 蛙の子は蛙。--日本の諺