夢
睡眠中あたかも現実の経験であるかのように感じる、一連の観念や心像
夢(ゆめ)に関する引用。
出典の確かな引用
編集- 我々は夢と同じものでできている。我らの小さき生は眠りの周りを巡る。--シェークスピア『テンペスト』
- "We are such stuff As dreams are made on, and our little life Is rounded with a sleep. "
- 而して浮生は夢の若し --李白『春夜桃李園に宴する序』
- 而浮生若夢
- 「胡蝶の夢」 --荘子
- 思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを --『古今和歌集』
- うたたねに恋しき人を見てしより夢てふものは頼み初めてき --『古今和歌集』
- いとせめて恋しきときはむばたまの夜の衣を返してぞ着る --『古今和歌集』
- --小野小町
- 君や来しわれや行きけむおもほえず夢かうつつか寝てかさめてか --『古今和歌集』よみ人知らず
- 『伊勢物語』第69段では伊勢の斎宮(文徳天皇皇女)の歌とされる
- すみの江の岸による波よるさへや夢のかよひぢ人目よくらむ --藤原敏行
- 『古今和歌集』『小倉百人一首』に収録
- 枕だにしらねばいはじ見しままに君かたるなよ春の夜の夢 -『新古今和歌集』
- 枕だにしらねばいはじ見しままに君かたるな春の夜の夢 -『和泉式部続集』
- --和泉式部
- 夢にだに見で明かしつる暁の恋こそ恋のかぎりなりけれ --和泉式部
- 『新勅撰和歌集』収録
- 旅の世にまた旅寝して草まくら夢のうちにも夢をみるかな --慈円
- 『千載和歌集』収録
- 夢幻(ゆめまぼろし)や南無三宝 -『閑吟集』・53
- 何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂え -『閑吟集』・55
- 未だ覚めず池塘春草の夢 --朱熹『偶成』
- 未覺池塘春草夢
- 〽かくて時過ぎ、頃去れば、五十年の、栄華も尽きて、まことは夢の、中なれば、皆消え消えと、失せ果てて、ありつる邯鄲の、枕の上に、眠りの夢は、覚めにけり。
アイ「いかにお旅人、粟のおだいが出来て候。疾う疾うおひるなれや。 -『邯鄲』(観世流)- アイは宿の女主人
- 露と落ち露と消えにしわが身かななにはのことも夢のまた夢 -豊臣秀吉
- 『詠草』による。秀吉辞世の一首と伝えられる。
- 旅に病んで夢は枯野をかけ廻る --松尾芭蕉
- 芭蕉の辞世と伝えられる。
- この世の名殘り、夜も名殘り。死に行く身をたとふればあだしが原の道の霜。一足づつに消えて行く夢の夢こそ哀れなれ。--近松門左衛門『曽根崎心中』「道行」
- ぼくらは万有のうちへと旅する夢を見る。ところで万有とはぼくらのうちにあるのではないだろうか。--ノヴァーリス『花粉』
- こんな夢を見た。 --夏目漱石『夢十夜』
- うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと --江戸川乱歩
帰せられるもの
編集- はかなしとまさしく見つる夢の世をおどろかで寝る我は人かは --和泉式部