恋
互いに相手を恋したうこと
恋に関する句、引用。
引用
編集散文
編集- 恋は狂気である。 --プラトン『饗宴』
- 恋とは、明敏で、生き生きとして、陽気な興奮状態である。 --ミシェル・ド・モンテーニュ
- 恋はどんな薬草でも癒せない。 --オウィディウス、『変身物語』
- "Nullis amor est sanabilis herbis." - Publius Ovidius Naso, Metamorphoses
詩歌
編集- ほととぎすなくや五月のあやめぐさあやめも知らぬ恋もするかな --よみ人知らず『古今和歌集』
- 恋歌一巻頭歌。
- 夢にだに見で明かしつる暁の恋こそ恋のかぎりなりけれ --和泉式部『新勅撰和歌集』
都都逸
編集- 一つ消えてはも一つ灯る恋の炎と蛍火と --作者不明
- 恋にこがれてなく蝉よりもなかぬ螢が身をこがす --鴬亭金升
- 三千世界の烏を殺しぬしと朝寝がしてみたい --高杉晋作
- 人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ --作者不明(「犬に食われて」「蝮にかまれて」などのバリエーションも他にあるという)
- 人の恋路を邪魔する奴は窓の月さえ憎らしい --作者不明
- 筑波嶺の峰よりおつるみなの川 恋ぞつもりて淵となりぬる --陽成天皇
- 難波潟みじかき蘆のふしのまも あはでこの世をすぐしてよとや --伊勢
- わびぬればいまはたおなじ難波なる 身をつくしてもあはむとぞ思ふ --元良親王
- 今こむといひしばかりに長月の 有明の月をまちいでつるかな --素性法師
- 名にし負はば逢坂山のさねかづら 人にしられで来るよしもがな --藤原定方
- みかの原わきて流るるいづみ川 いつみきとてか恋しかるらむ --藤原兼輔
- 有明のつれなく見えし別れより あかつきばかりうきものはなし --壬生忠岑
- 夏の夜はまだ宵ながらあけぬるを 雲のいづこに月やどるらむ --清原深養父
- 忘らるる身をば思はずちかひてし 人の命の惜しくもあるかな --右近
- 浅茅生の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき --源等
- 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで --平兼盛
- 恋すてふ我が名はまだき立ちにけり 人しれずこそ思ひそめしか --壬生忠見
- ちぎりきなかたみに袖をしぼりつつ 末の松山波こさじとは --清原元輔
- あひみてののちの心にくらぶれば 昔は物を思はざりけり --藤原敦忠
- あふことのたえてしなくばなかなかに 人をも身をも恨みざらまし --藤原朝忠
- あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたづらになりぬべきかな --藤原伊尹
- 由良のとを渡る舟人かぢをたえ ゆくへも知らぬ恋の道かな --曽禰好忠
- 風をいたみ岩うつ波のおのれのみ くだけて物を思ふころかな --源重之
- みかきもり衛士のたく火の夜はもえて 昼は消えつつ物をこそ思へ --大中臣能宣
- 君がため惜しからざりしいのちさへ 長くもがなと思ひけるかな --藤原義孝
- かくとだにえやはいぶきのさしも草 さしもしらじなもゆる思ひを --藤原実方
- あけぬれば暮るるものとは知りながら なほうらめしき朝ぼらけかな --藤原道信
- なげきつつひとりぬる夜のあくるまは いかに久しきものとかはしる --藤原道綱母
- 忘れじのゆく末まではかたければ 今日をかぎりのいのちともがな --高階貴子
- あらざらむこの世のほかの思ひ出に いまひとたびのあふこともがな --和泉式部
- ありま山ゐなの笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする --大弐三位
- いまはただ思ひ絶えなむとばかりを 人づてならで言ふよしもがな --藤原道雅
- うらみわびほさぬ袖だにあるものを 恋にくちなむ名こそをしけれ --相模
- 憂かりける人を初瀬の山おろしよ はげしかれとは祈らぬものを --源俊頼
- 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ --崇徳天皇
- 長からむ 心もしらず 黒髪の みだれてけさは 物をこそ思へ --待賢門院堀河
- ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただありあけの月ぞ残れる --藤原実定
- 夜もすがら物思ふころは明けやらで 閨のひまさへつれなかりけり --俊恵
- なげけとて月やは物を思はする かこち顔なるわが涙かな --西行
- 難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ みをつくしてや恋ひわたるべき --皇嘉門院別当
- 玉の緒よたえなばたえねながらへば 忍ぶることの弱りもぞする --式子内親王
- 見せばやな雄島のあまの袖だにも ぬれにぞぬれし色はかはらず --殷富門院大輔
- きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに 衣かたしきひとりかも寝む --藤原良経
- わが袖は潮干にみえぬ沖の石の 人こそしらねかわくまもなし --二条院讃岐
- こぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くやもしほの身もこがれつつ --藤原定家
諺と格言
編集- 博打で幸運、恋愛で不運。--フランスの諺
- 恋するものは皆詩人。--出典不明