蛍
鞘翅目ホタル科に分類される昆虫の総称、発光することで知られる昆虫
蛍(ほたる)に関する引用句と諺。発光することで知られる昆虫である。
出典の確かなもの
編集- 夏は夜。月の比はさら也、やみも猶ほたるの多く飛びちがひたる。又、ただ一つ二つなどほのかにうちひかりて行くもをかし。 --清少納言 『枕草子』三巻本系第二類本: 勧修寺家旧蔵本、中邨秋香旧蔵本、伊達家旧蔵本、古梓堂文庫蔵本、弥富本
- 写本によって細部には異同がある。
- ゆく螢雲のうへまで去ぬべくは秋風ふくと雁につげこせ --在原業平
- 『伊勢物語』、『後撰和歌集』にみえる。
- 夕されば螢よりけに燃ゆれども光見ねばや人のつれなき--紀友則
- 『古今和歌集』に収録。
- こゑはせで身をのみこがす螢こそいふよりまさる思ひなるらめ --紫式部
- 音もせで思ひに燃ゆる螢こそ鳴く虫よりもあはれなりけれ --源重之
- 『後拾遺和歌集』に収録。
- 物思へば沢の螢もわが身よりあくがれ出づるたまかとぞ見る --和泉式部
- (上記に対する返歌)奥山にたぎりて落つる瀧の瀬の玉ちるばかりものな思ひそ --貴船の明神
- 『後拾遺和歌集』に収録される贈答。
- (上記に対する返歌)奥山にたぎりて落つる瀧の瀬の玉ちるばかりものな思ひそ --貴船の明神
- 螢の光、窓の雪、書讀む月日、重ねつゝ、何時しか年も、すぎの戸を、開けてぞ今朝は、別れ行く。--稲垣千穎『蛍の光』
- 上記作者による、スコットランド民謡「Auld lang syne(過ぎし日)」の訳・作詞。
帰せられるもの
編集作者不明のものを含む。
諺・成語
編集- 蛍雪の功 --成語
- 蛍二十日に蝉三日 --日本の諺